問題:

 +12Dの矯正レンズ(頂間距離15mmで測られています)は無水晶体眼のために処方されています。患者の眼鏡技術者が患者の選択に合わせた流行の眼鏡枠に矯正レンズを合わした時、レンズは彼の角膜からたった10mmの位置に合わせられています。このように近距離にレンズを合わせることでジオプター度数の誤差はどれだけになりますか?

 

答え:

 最初にRを位置付けなければなりません―それは屈折異常がどれくらいであるかにかかわらず鍵となる点です。12Dのレンズがこの無水晶体眼を“矯正”することがあなたに与えられているのですから、そのFR上に来なければなりません。F、つまり8.3cmレンズの後ろにありますが、レンズ自身は角膜の前15mmにあります。だからR(8.31.5)、つまり6.8cm角膜の後ろになくてはなりません。(下図Aを見てください)。これでRの位置が定められたので、私たちが望むどのような矯正レンズも目からその望ましい位置に置くことにより使えます。


 この患者の実際の頂間距離はたった10mmですから、彼は焦点距離(6.81.0)、つまり7.8cmの矯正レンズが必要であるべきなのです―+12.8Dのレンズがきちんと処方箋を満たします。(下図Bを見てください。)

 しかし、彼は不注意にも+12.0Dのレンズを頂間距離10mmに合わせて装用していますので、(12.812.0)、つまり0.8Dのプラスの屈折力が矯正不足となっています―確かにわずかの量ではありません。

 頂間距離に注意を向けなくてはなりません。それは遠視にしろ、近視にしろ、乱視にしろ4ジオプターを越える非正視で特に重要になります。