問題:

62歳の高齢の患者が1Dの調節力を持っていて、+1.25Dの中間視用加入度をつけた+2.50Dの近用加入度を装用しています。鮮明に見える範囲を図示してください。

 

答え:

 


はっきり見える範囲の間の小さな“空白”は簡単に頭の位置の移動で補われます。(あなた自身をごまかさないでください。もしそれらがどのようにして得られたのかあなたが理解しているなら、前に戻って、求める範囲を調べることを怠らないでください。私の腕前を披露するためにこれを図示したのではありません。)

 


臨床上の注意点:

先程の23の図では簡略図にするために角膜の位置に矯正レンズと加入度を置いて表しています。しかし、現実の生活ではレンズは眼鏡レンズ面で装用されるので頂間距離が要素となります。思い出してください、高いマイナスの非正視に対する眼鏡矯正では与えられた距離で必要な調節は正視の時よりも少なくなります。その上、レンズと角膜間の頂間距離の存在は高度近視の人に適度のボーナスをあたえます。彼が読書をしている間に眼鏡を鼻の上でかすかに(23mm)下へずらせると、彼自身の調節の必要性をもっと減少します。これは初期老視を伴った近視の人全てが学ぶちょっとしたこつです!

これを説明するために、以前私たちが処理した例と同じ臨床データを使いましょう。この患者は8.7Dの近視で、−10Dの眼鏡から20cmのところにある読書用の材料を見るために3.55Dの調節を必要としました(下の図Aを見てください)。

もしレンズが今患者の鼻の上で5mm下へずらせることを許されるなら、光学的な位置は下図Bに図示されたようになります:

 

問題:

必要な調節を計算してください。

 


 


答え:

          

この像はレンズの前6.6cmに位置しています。レンズは今角膜から20mmのところにあるので(もともとあった15mm+“下へずらせた”5mm)、像(それは目が見る“物体”)はから8.6cm離れています(つまり、11.62D離れています)。しかし、目は8.7Dの近視で、だから11.628.7、つまりたった2.92Dの調節がそれを鮮明に見るために用いられなければなりません。

ゆえに、もし−10Dの眼鏡レンズを患者の鼻の上で5mm下へずらせるなら、20cm離れて置かれた材料を見るための彼の調節の必要性は3.55Dから2.92Dに減少し、彼に0.63Dの調節―初期老視患者のための実質的な量―を使わないで済ませることを私たちは示しました。しかし、この利益が初期老視の近視患者に限定されていると仮定しないで下さい。彼のレンズ全体の屈折力(マイナス矯正に二重焦点の加入度を加えています)がまだマイナスである限り、この同じ原理は二重焦点の加入度付の眼鏡をかけた老視の近視患者でさえ手助けします。だから、老視の近視患者も鼻の上で眼鏡を下へずらせたら“追加プラス”の助けを得、近視が高ければ、“助け”も大きくなります。

高度の遠視患者にとってはその正反対は正しくなり、眼鏡を彼の鼻の上で押し上げて調節の必要性を最小にしておかなければならないのです。