葛城山
二上山、葛城山(大和)、金剛山、岩湧山、葛城山(和泉)

2004.6.13
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生駒山地、大峰山脈、金剛山地、和泉山脈をズーム



葛城山

 葛城山の名称を用いる山は2ヶ所ある。ひとつは大阪府と奈良県の境をなす、金剛山地北部の主峰。もうひとつは大阪・和歌山の府県境にある。それぞれを区別するために前者を河内葛城山・大和葛城山あるいは北葛城山、後者を和泉葛城山あるいは南葛城山ともいう。古来、葛城山というのは、金剛山地および同山地に連なって大阪・和歌山の府県境をなす和泉山脈をあわせた山域全体の呼称であったため、同名の山が存在することとなった。
 大和葛城山は標高959.7m、頂上は南葛城郡千早赤阪村の北東端に属し、同郡河南町と奈良県御所市・北葛城郡新庄町との境界付近にまたがる。南北に連なる葛城山脈のうち、中央部を区切る水越峠以北をいい、南側に山頂部があって、北へ向かうほど低くなる。主山稜は南北に長く、南は水越峠をはさんで金剛山に向かい合い、北は竹之内峠で二上山に連なる。奈良側(東側)は断層崖をなし急斜面であるが、大阪側(西側)は緩やかに傾斜し、傾動地塊の形態を示す。山体は領家花崗岩である。古くは戒那山あるいは戒那ケ岳、さらには篠峰などと呼ばれた。山頂には「日本書紀」雄略天皇条に見える一言主命を祀った葛城天神社があり、東側の山麓部に形成される扇状地には鴨山口神社、一言主神社、火雷神社などがあり、中腹には戒那山安位寺(戒那千坊)の遺構がある。
 和泉葛城山は和泉山脈のほぼ中央に位置し、標高858m、865.7mの一等三角点はやや東よりに設けられている。岸和田市・貝塚市と和歌山県那賀郡那賀町との境界付近にまたがり、山体は他の和泉山脈中の山々と同様、和泉砂岩によって構成される。山頂付近には準平原遺物とみられる平垣面があり、近畿地方ではもっとも高い位置にある縄文遺跡が見られ、縄文中期から後期の土器や讃岐岩製の石器などが出土している。山頂の岳玉(おがたま)神祠(しんし)は八大竜王社・石の宝殿とも呼ばれ、雨乞いの神として農民の信仰を集めてきた。祭神は高?(たかおがみ)。「葛城縁起」「葛城嶺中記」などには葛城二十八宿の弟9、竜の宿にあてている。一説に岸和田城主岡部氏が巨石をもって社殿をつくり、葛城一言主命を勧請したのが石の宝殿であるともいう。
参考文献:
@日本地名大百科 ランドジャポニカ、監修:浮田典良他、小学館、1996
A角川日本地名大事典 29 奈良県、編者:竹内理三他、角川書店、1990
B角川日本地名大辞典 27 大阪府、編者:竹内理三他、角川書店、1983



葛城山を中心としたデータ

    地球の方位、大きさ、夏至に関すること

  1. 大和葛城山と生駒山を結ぶ線は子午線に一致する。
  2. 大和葛城山より、北から時計回りに15°の方向に福井県敦賀市気比神宮がある。
  3. 大和葛城山より、北東(北から時計回りに45°)の方向に石切神社がある。
  4. 大和葛城山から真東に伊勢神宮内宮がある。
  5. 大和葛城山より、北から時計回りに120°の方向に吉野神宮がある。
  6. 大和葛城山で夏至の太陽の日の入りを見るとその影は吉野神宮の方向にできる。
  7. 大和葛城山と生駒山を半径として円を描くと、その円周上で、北から時計回りに240°(時計と反対回りに120°)の方向に和泉葛城山頂がある。
  8. 大和葛城山で夏至の太陽の日の出を見るとその影は和泉葛城山の方向にできる。
  9. 大和葛城山より、北西(北から時計回りに315°、時計と反対回りに45°)の方向に住吉大社がある(上記の円周上に位置する)。
  10. 大和葛城山〜生駒山の距離は25kmで子午線(北極〜南極)の距離の800分の1である。



  11. 月、黄道に関すること

  12. 大和三山の畝傍山と耳成山(もしくは天香久山)の距離(6.8km)を2倍した距離は月の子午線(月の半径は1738km、子午線は5457km)の800分の1である。
  13. 大和三山の畝傍山と耳成山(もしくは天香久山)の距離を半径として畝傍山を中心点にして円を描くと、かぐや姫伝説のある奈良県北葛城郡広陵町を含む。
  14. 大和三山の畝傍山〜大和葛城山によって作られる直線と、大和葛城山〜伊勢神宮内宮で作られる直線が形成する角度は地球の地軸の傾きの23.4°に等しい。
  15. 大和葛城山と生駒山を半径とした円弧を黄道面とし、北から時計回りに60°の円弧上の位置を夏至点とすると、上記の23.4°の傾きは黄道傾斜に変えられる。
  16. 大和三山の畝傍山〜大和葛城山によって作られる直線と天香久山〜大和葛城山によって作られる直線が形成する角度は4°、前記の直線と耳成山〜大和葛城山によって作られる直線が形成する角度は6°。これは地球の公転面と月の公転面の角度約5°に近似する。
    (参考:「月の公転面は地球の公転面に対して約5度ほど傾いています。月・地球共に自転軸は一定の方向を保持(歳差や秤動は除く)していますが、月の公転面が地球の公転面に対して18.6年の周期で回転していることから、それぞれの公転面の差は最小で地球の自転軸の傾き−月の公転面の傾きとなり、最大では地球の自転軸の傾き+月の公転面の傾きとなります。」moonfaq bbsより引用)



  17. 星座に関すること

  18. 大和三山は星座ケフェウスが形成する二等辺三角形に一致する。
  19. 北極星の位置を大和葛城山頂に置き、現在時刻の8月7日午後11時に星図板をセットすると、三輪山大神神社におうし座のアルテバランがほぼ位置し、天の川の位置はほぼ奈良盆地から紀ノ川に対応する。現在大神神社では8月7日に七夕祭が行われている。



  20. その他

  21. 熊野大社から見る出雲大社の方向に夏至の太陽は沈む。

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