視覚障害者専用ワープロとして現在よく使われている製品は2種類あります。ひとつは高知システム開発株式会社の"MYWORDV(マイワード・ファイブ"という製品で、もうひとつはニュー・ブレイル・システム株式会社の"でんぴつ"です。双方ともキー入力した文字を音声で読み上げ、漢字に変換した時には音読み、訓読み、その漢字を使った熟語での説明をしてくれます。また、フルキーでの入力方式の他、点字タイプに慣れている方のために点字入力もできるようになっています。点字の漢字(6点漢字、漢点字)を学習された方には漢字の直接入力も可能です。弱視者用に拡大機能、白黒反転機能も備えています。一般のワープロに比べて視覚障害者が利用しやすい機能に集約して作成されています。
一般のソフトはスクリーンリーダーと呼ばれる音声化ソフトを利用し、音声化します。現在普及しているものはPC-Talker(高知システム開発株式会社)、95Reader(通称:XPReader、システムソリューションセンターとちぎ)、JAWS(IBM)、Winvoice(ニュー・ブレイル・システム株式会社)の4種類があります。このスクリーンリーダーと一般のソフトを組み合わせることで音声で読み上げてくれます。現在一般に多く普及しているMicrosoft社製のExcelはスクリーンリーダーを使えばセルの番地やメニューを音声で読み上げてくれ、練習すれば簡単な表計算はできるようになります。また、Wordも同様に使用可能です。しかし、一般のソフトはメニューがたくさんありグラフなどの図を音声化することは不可能ですので、ただたんに音声化すれば全ての機能がすぐ使えるというものではありません。
音声付きメーラーにはMMメール(宮崎嘉明(作)、MYMAIL(マイメール、高知システム開発株式会社)があります。MYMAILは文字の拡大率がMYWORDVと同様であり、ワープロとの統合ソフトになっていて便利ですが、値段の面からMMメールを使用する人のほうが多いようです。
NTTドコモ及びNTTドコモグループ8社から、iモード対応携帯電話機「ムーバF672i」(愛称:らくらくホンIII)が発売されています(2003年9月現在)。主な特徴は、「送信完了までの必要な情報を画面上のガイダンスでお知らせする「簡単メール作成」機能を搭載。音声読み上げ機能による読み上げ範囲を、iモードサイトのテキスト、電卓での入力内容・計算結果、メール作成画面の内容、メール送信結果、充電完了メッセージにまで拡大。」 となっています。
インターネット上のニュース記事のみを抽出し音声で読み上げるソフトにネットニュースリーダーがあります。また、さまざまなホームページを読み上げるには、有料ソフトの視覚障害者専用ブラウザホームページリーダー(IBM)を使用する方法や、Microsoft社製Internet Explorerを、PC-Talker(高知システム開発株式会社)、Winvoice(ニュー・ブレイル・システム株式会社)、95Reader(通称:XPReader、システムソリューションセンターとちぎ)のどれかのスクリーンリーダーと組み合わせる方法、さらに無料ソフトのVE2000を95Readerと組み合わせて音声化する方法などがあります。
スキャナで文字を画像処理してパソコンに取り込み、文字認識をすることにより音声化することが可能になっています。そのための視覚障害者用ソフトとして、MYREAD5(マイリード・ファイブ、高知システム開発株式会社)や、ヨメール(株式会社アメディア)、よみとも(株式会社アイフレンズ)があります。
「障害者情報バリアフリー化支援事業」が現在(2003年10月現在)行われており、視覚障害で身体障害者手帳に1級もしくは2級の記載のある方には画面音声化ソフト、視覚障害者用ワープロアプリケーションソフト、点字ピンディスプレイなどのアプリケーションや入力サポート機器の購入に際し、購入に要した費用の3分の2以内、10万円を限度として助成があります。
申請に必要な書類
- 身体障害者手帳の写し
- 機器を購入し使用する方の住民票(または登録原票記載事項証明書)
・扶養義務者の方が申請する場合は、その扶養義務者の住民票も添付すること- 見積書(申請書裏面の見積欄に記入若しくは業者の私製の見積書を添付してください。)
- 前年の所得税課税所得金額を確認できる書類(源泉徴収書、市町村民税課税証明書など
・扶養義務者の方が申請する場合は、その扶養義務者の方の前年の所得税課税所得金額を確認できる書類
大阪を例にとりますと、視覚障害者用機器の販売店は株式会社アイフレンズ、株式会社テクノメイト、有限会社ジオム社などがあります。