光線が密な媒質(下の図A)内にある物点から発せられる時、奇妙な現象が起こるように段階が整えられます。
角iが増加すれば角i’も増加します。屈折角であるi’が90°に等しくなるようなある大きさに角iは最終的に到達するでしょう(上図B)。この位置でi(入射角)は“臨界”角(critical angle)と呼ばれています。もしiが今たとえわずかな量でも増やされたなら、光線は媒質n’から出なくなるでしょうし、それは完全に内側に反射[1]されるでしょう(Cに示したように)。
この例の中では、
n’ sin i=n sin i’
sin i=(sin i’) であり、
定義によるとicrit(“臨界”角)では
i’=90°、つまり sin i’=1.00
ゆえに、 sin icrit=
n’が水(n’=1.33)を表し、nは空気なのでn=1.00である時、
sin icrit==0.75
icrit=48゜
だから、水の臨界角は48°ですが、水と空気の境界面の時だけに言えることです。同様にして角膜組織の臨界角の正弦はとなります。
sin
i=0.725
icrit=46.5°
この点は医学上重要です。そもそも私たちが物体を見ようとするなら、それからの光線は私たちの目に入らなければならないことを思い出してください。前房隅角の場合を考えて見ましょう。隅角からの光線は角膜を通り抜けなければなりません。それらは進み角膜後面で屈折させられますが、前房隅角のある特定の大きさと角膜からの距離により、そこから出てきた光線は角膜前面(外側よりも内側の屈折率の方が大きくなっている境界)に角膜組織の臨界角(∠46°)よりも大きい入射角で突き当たります。そうすると全てのこれらの光線は目に反射して戻ってきます。それらは逃げられないので、医師は通常は患者の前房隅角を見えるようにできません。もし角膜が通常よりも“急勾配”になっていたら(円錐角膜の患者のように)光線は臨界角よりも小さい入射角で境界面に突き当たり、ゆえに目から出て行くことができます。だから時々隅角は観察者に見られるかもしれませんが、通常は不可能です(図Aを見てください)。